特上のコネほど使うとヤバい!?人生を棒に振りかねない【就活とコネ】のビミョーな関係

コネには「上/中/下」がある

就活で頑張っていると、たまに「俺、この会社にコネがあるんだ」といった自慢を聞くことがあります。実際「コネ」とはどのようなものなのでしょうか。

「コネ」は「コネクション」の略で「関係」「繋がり」といった意味です。就活では「自分の親や親戚がどこかの会社と関係があって入社しやすい」といった意味で使われます。

まず最初に知っておいてほしいのが「コネにも種類がある」ということです。

例えばあなたの実家がお菓子の大きなメーカーで、ちょくちょくテレビCMもやってるとしましょう。

そのコネは広告代理店やテレビ局に対しては、最高ランクの「上」です。代理店や局側に立って考えれば、「コイツを雇っておけば今後もうちでCM打ってもらえますよね?」と、いわば「人質」になるわけです。このコネは商社や機械メーカーにも「特上」かもしれません。商社なら「今後もうちで原材料を仕入れてくださいね!」、機械メーカーなら「うちの製造装置をよろしく!」ということです。

すなわち、実家や親族が何かの業界の太い客の場合、「特上のコネを持っている」と言えます。

次の「中」は、「客じゃないけど義理がある」くらいの関係です。

「下」のコネは正攻法でしか使えない

例えばあなたの親や親戚が仮にNTTさんの偉い人だったとしましょう。あなたがNTTに入りたいと言えば、親や親戚は人事部の人に「今度、うちの娘が面接を受けるんですよ」などと伝えるわけです。会社の上司や、長い付き合いの仲間に「うちの娘をよろしく」と言われたら、人事部の人が心理的に「」入社させてあげたい」と思うのはよくわかります。

ただし「上」じゃないので、落とされることはあります。落とす理由に使われがちなのが筆記試験です。人事の人は、仮に誰かの息子や娘を落としたても「筆記で既定の点数がとれてなかったんです。私にもどうしようもなくて……」と言い訳ができます。ただし、ほかの就活生と横並びになったとしたら選ばれる可能性が高い、それが「中」クラスのコネです。

最後が「下」。これは「いとこが大企業の平社員」といった、太客でもなくプレッシャーもかけられない関係です。

はっきり言って使えません。どんな企業も本来は、義理もプレッシャーない状態で優秀な人をとりたいのです。

ただし使い道がないわけじゃありません。仮に自分のいとこが入社したい企業に勤めていれば「OB・OG訪問させてください」とお願いし、その会社の情報を詳しく聞くくらいは可能でしょう。企業のことを知っておけば、その分、面接で有利になります。正攻法で勝負するけど、情報収集の役には立つわけです。

コネは「使うと損」!? まさかの理由は?

さて、では実際、コネがあったら使うべきなんでしょうか?

私は「特上」や「上」のコネは、「ある条件」がない限り使わない方がいいと思っています。

「特上のコネ」はすなわち「人質」になるということなんです。

想像してください。私はこの類の人を何人も知っていますが、「腫れ物に触るような扱い」をされますよ。まず、上司は注意できません。人質が家に帰って「わーん、お父さん、嫌な部長が僕をいじめるんだよぉ!」などとチクったら大ごとです。すなわち、会社は人質に成長なんか求めません。それより「仕事は普通にこなしてくれればいいから当社にいてくださいね」って感じになるわけです。

しかもヘタをすれば入社前後から「アイツはどこそこのコネだぞ」と噂が飛び交います。すると同期からも「アイツ怒らしちゃダメだぜ」とやっぱり腫れ物扱いになっていく。

令嬢が感じた「焦りと衝撃」

例えば2022年に、永谷園の社長令嬢と言われている方が、メディアで「電通入社後はしばらく大した仕事も与えられず、正直暇でした。激務は噂だけなんだと思ってたくらい(笑)」と発言し、しかもこれにおっかぶせて「毎晩放送局の方々や社内の先輩達と飲んでいました」などと言って炎上しています。確かにイラっときますよね。「そりゃあなたがコネ入社だからだよ!」と言いたくもなります。

なお、この話には続きがあって、この口を慎んだ方がいい社長令嬢は「ある日、同期のみんなと集まった際に、みんなが遅くまで一生懸命働き、怒られながら悩みながらもいろんな成果を出している話を聞き、あまりの自分のレベルの低さに衝撃を受け焦りました」と話し、その後、必死で頑張った話をしています。私は「発言の一部が切り取られて炎上したんだな」「よかったね、頑張れ」と感じた次第でした。

閑話休題、特上のコネのデメリットは腫れ物扱いされるだけにとどまりません。実家と就職した会社の縁が切れたら最悪です。そんな時こそ会社は「お取引を復活させてほしい」と人質を頼るでしょうが、それができなければイバラの道です。

さらに転職も難しい。コネで入社したら、自分を就職先に突っ込んでくれた親や親戚に顔向けできなくなります。しかも甘やかされるので、実力が身につかないことも多い。何年かして「仕事がつまんない」「ホントはこんな仕事が向いてるんじゃないか?」と思っても転職しにくい。これでは逆に牢獄です。

コネを使っていい条件とは?

どうでしょう? コネってうらやましいですか? 使いたくなりましたか?

使っていい条件はただ1つ。「入社後頑張るもん!」と心から思うなら使っていいでしょう。入社後「アイツ、コネ入社なのにデキるよな」となれば……元々は人質、いるだけで利益をもたらすのに役に立つわけですから、出世競争でも有利でしょう。実は私も、自分が就職した会社の先輩の中に、コネ入社なのに実力はピカイチ!しかもカッコよくてみんなから一目置かれる先輩がいました。彼なら仮に実家が太客でなくなったとしても、会社で大事にされるでしょうし、転職も余裕でしょう。

結論です。

「特上/上のコネは、入社後も頑張れるなら使うのもアリ」

なのですが……

甘い環境になるので、あまりよい社会人生活は送れないかも。周囲にやっかみ半分で「使えねえ地蔵」とか「置物」とか陰口たたかれるのも居心地悪いよね。それくらいならいったん正攻法で就活して、コネは最後の手段にとっておけば?

と思います。

では下のコネはどうでしょうか? これは特上と上にも言えることですが、正面突破を考え、真剣に就活をする一環として「OB・OG訪問させてください」と会社を訪ねる、といったことなら大いに利用するとよいでしょう。

 最後に……

 「コネ入社をした人」を見て、あなたは愉快になりますか? 部下に重要な仕事を任せるとして、実力で頑張ってきた人と、コネ入社の人、どちらに頼みますか?

 「仕事を任せにくい不愉快な人になりたい!」という人はいませんよね。社会のどんな場面でもあてはまることかもしれませんが、人が姑息だと感じることは、やっぱり、しない方がいいですよ。

 だからコネがないキミ、正攻法で会社から必要とされる人になって、コネ入社組なんか見返してやりましょう。

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