まず前提をお話ししましょう。面接で重視されるのはこの3つです。
「本当にこの人はこの仕事に向いているんだろうか?」
「仲間と共同作業ができる人だろうか、逆に性格に問題はないか?」
「頑張って、時には努力もして、社業に貢献してくれるか?」
なかでも最初の「本当にこの人はこの仕事に向いているんだろうか?」は、学歴を逆転できるほど重要なものなんです。
仕事って、部活に似ています。苦しくて楽しいんです。私は「くるたのしい」と呼んでいます。辛いことばかりじゃありません。仲間と戦略を練って、それがハマって、みんなで祝杯を挙げ、自分たちはボーナスをもらって豊かになり、お客さんからは喜ばれる……って感じです。
でもやっぱり、楽しいことばかりじゃありません。お客さんに文句を言われ、自分のせいじゃないのに謝って、旅行に行く家族連れを尻目に休日出勤し、忙しい日は眠いのにパソコンの前に座る……。
じゃあ、辛い時なぜ前向きになれるのか? やっぱり「俺は/私は、やっぱりこの仕事が好き、この職場が好き」という思いがあるからです。例えばNHKに入局した学生が就職後、私の心に残るメールをくれました。
「先生、ここはテレビや動画について熱く語る人や、今の日本に問題意識がある人が多くてメチャ面白い職場です。想像と違ったのは、僕は自分がテレビを見ているほうだと思っていましたが、ここには僕よりもっとテレビに詳しくて、僕より考えている人がいるってことでした」
別の例もありますよ。ワインの輸入に携わる専門商社の方に話を聞いた時の話です。
「ワインが好きで好きで、学生時代、麻布の〇×(という有名なフランス料理店)でアルバイトして、こっそりお客さんがグラスの底に残したワインを飲んでたんです。何十万円もするワインなんて普通じゃ飲めませんけど、店員ならグラスの底や瓶の底に残ったワインが飲めますよね。それで、お客さんに『これとこれどっちがいい?』と聞かれた時にサッと答えられるようになっていったんです」
こういう人にワインを輸入していてほしいですよね。きっと「好き」という気持ちと「俺は/私は好きなことをやってるんだ」という誇りは、成長の源になり、毎日を前向きに過ごすために絶対必要なものなんです。
だから、好きで好きで来ました! ということが伝われば、学歴などたやすくまくれます。
「作り手側としての分析」を加えれば伝わる!
じゃあ具体的にどう伝えましょうか? 私がボランティアで社会人と就活生の飲み会をやっている時、面白いアドバイスをした社会人がいました。学生が「結婚式場で働きたい」と言うのを聞いて「ならお金を貯めて、海外の結婚式を見てきたら?」と言ったんです。
これは私も「なるほど」と思いました。面接で「結婚式のようなイベントが“好きで好きで”、韓国の、中国の、タイの、アメリカの結婚式を見に行きました。こういうところは日本でも取り入れるべきで、ここの細やかさが中国っぽかった」などと語れば、私が面接官ならイチコロでほだされます。「こういう人にうちの職場で働いてほしい!」と思っちゃいます。
「好きで好きで」
これは学歴など吹き飛ばしてしまうほど、尊いものなんです。人間が生きる源かもしれません。だから、この「好きで好きで」攻撃が決まれば、学歴なんか余裕でマクれます。
あ、ただし、しっかりと「作り手側の分析」を入れて話してください。これができないと結果は出ませんよ。
例えば「ゲームが好きで好きで」のあと「1日8時間くらいやるほどハマってました」「こういうアイテムが出るまで課金しました」では、ただのゲーム廃人です。誰でも人生の一時期、ゲームにハマったことはあるでしょう。そんな感じの人を採用していたら、ゲームの会社は人でパンパンになります。「こういう要素が課金したくなるポイントですよね」「このサクサク感がスマホにちょうどよくないですか?」などと、優秀なプレーヤーでなく、優秀なゲーム制作者になれることをアピールしてください。
「難しいなぁ」と思った方、ゲームの批評や制作者のインタビューくらい、ネットを見ればいっぱい載っているはずです。これをきっかけに「作り手側の分析」をすればOKです。
例えば「コスメが好きで好きで」でも同じで、「新しい商品を見るとつい買っちゃいます」というアピールだけじゃ弱い。「この保湿成分を使いやすくするためにこういう容器に入れたのはすごい」とか「CMにこのイメージがある人を使って、このコピーを入れたのがすごい」などと、ヘビーユーザーでなく、優秀な制作者になれることを伝えてくださいね。