いきなりですけど、SaaS(サース)、これから間違いなく伸びる業界なので、要チェックです。そして「どうも組織が苦手」とかそんな理由で「できればテレワークしたい!」という方、この業界、おすすめです。最後に理由をお話しします。
さて、まずSaaSってなんですか? という話からしましょう。
Sansanの名刺アプリ「Eight」ってご存じですか? これもう、めちゃ便利なんです。社会人になると、初対面の方とはまず名刺交換をするんですが、1日5人とか会うと、1年200日で1000人。到底覚えられませんよね。でもEightに名刺の画像をアップロードしておけば「何て名前だっけ?」となった時に、会社名で検索できるし、「いつ頃会った人なんだけど」みたいな感じでも検索できるし、相手もEightに登録してれば転勤や転職で連絡先が変わっても自動で反映されるし、もらった名刺を自社のみんなで共有できるし、もうめちゃくちゃ便利なんです。が、1か月あたりたった500円くらいで使えるんですね。
とまあ、こういうのがSaaSです。
便利なシステムを作って、みんなで使おう! ってことです。だから安価だし、使う人が増えればますます便利になっていきます。
みんなも使ったことがありそうなものだと、Zoomとか、あとは画像をデザインできるCanvaとか。あのあたりがSaaS。
働き始めてから使うのが、例えばマネーフォワード。聞いたことありませんか? どの会社とどんな契約を結んで、いくら請求して、いつ入金されて、従業員にいくら払って、経費はいくらかかって、みたいな感じでお金の流れを見える化して管理できるSaaSです。
ほかにもサイボウズの「kintone」とか、人事労務ソフトの「SmartHR」とか、グローバルだとSalesforce、その傘下のSlack、デザインのAdobe、ドキュメント管理のMicrosoft365とか、この辺りが有名です。
例えばファミレスに行くと、タブレットで注文をして、セルフレジでお金を払いますよね? あれもSaaSです。例えば注文のシステムは、「デジタルメニューブック」とか「テーブル注文端末」とか呼ばれるもので、例えばみんな大好き「ガスト」には、株式会社アルファクス・フード・システムという会社が納入しています。ここはSaaSというよりもう少し広くて、在庫の管理、予約の管理、バイトの管理なんかもできる基幹業務サービス「飲食店経営管理システム®」を提供していて、外食チェーンへの導入実績が数多くあります(累計約2万6000店舗)。
さて、伸びるかどうかと言われたら、ここ、伸びます。理由は2つ、少子高齢化と、AIです。
まず、SaaSは多くの場合、業務を効率化してくれます。営業でどこかに行く場合、打ち合わせの時間は1時間だけど往復に1時間半かかる、とかマジであるあるです。でもZoomやGooglemeetsを使えば移動時間がなくなります。
例えばポスターやチラシを作るとして、1から作っていたら1日かかるものが、Canvaに入っているテンプレートをちょっと改造すれば1時間で済んじゃう。
人間が足りないから、生産性を高めなきゃいけないわけです。ファミレスのタブレットで注文してセルフレジで決済するシステム、あれ、お客さんの側もラクだけど、店側もバイトさんを減らせます。当然、その分、利益が増える。利益が増えれば、いい経営者なら商品を安くして、バイトの時給をあげられます。まあ、いいことづくめです。
ここは余談ですが、JR東日本が「みどりの窓口」をどんどん減らして、みんな頼むから「えきねっと」使ってください、みたいなこと進めてますよね。あれは当然で、えきねっとを使ってくれれば人件費が安く済む。逆にそれでも緑の窓口に並ぶじーちゃんばーちゃんとかは、まわりまわって若い人に負担がかからないよう、あれくらい使えるようになってほしいし、JR東日本さんにも「緑の窓口に行かなきゃできないことは早くなくしてください」と言いたいですね。
こういう省力化は、今後もずっと重要なテーマであり続けます。だからこの業界は必ず伸びます。
ちなみにサイボウズの青野社長、私も何度か話したことがありますが、彼は「意味がない非効率なことが大嫌いだから創業した」と言っていました。例えば「このファイル送ってもらえますか?」なんてやるより、クラウドに保管しておいてみんなで使えばいいわけです。
あとはAIの活用余地が大きいこと。
例えばCanvaだって、近い将来、「吹奏楽部卒業コンサート、何月何日の何時から、場所はここ」ってしゃべれば、自動でそれっぽいポスターにしてくれて、自動でユーザーの近所の印刷屋さんに発注するとか、できますよね?
ZoomでもGooglemeetsでも、自動で会議の文字起こしができます。例えばコンビニに行くと、今まで店長が下手をすれば1時間も2時間もかけて「寒くなってきたから肉まんを何個増やして、アイスは減らして……」なんて発注してたわけですが、これも今はAIでやってます。
さて、じゃあSaaS業界への質問! まとめてお答えしましょう!
平均年収ってどのくらい?
SaaS業界全体の平均年収は 約608万円。これは日本全体の平均(約420万円)よりも高く、給与水準は高いと言えます。上場企業など規模感のあるSaaS企業では、平均800万円以上という水準も珍しくありません。
理系でなきゃいけないの?
いいえ、様々な企業で、エンジニアの割合は1/3から半分程度で、お客さんの相手をする人が1/3くらいはいます。営業なんだけど、呼び方は様々で「フィールドセールス」とか「カスタマーサクセス」なんて言ったりします。この人たちは文系の人も多いですよ。
どんな人が向いている?
例えば、数字を見て、仮説をたて、実施して、検証する、といったことが癖になっている人とかいいと思います。バイト先でこういう業務改善を思いついて、実際にこうしたら数字がこうなって……といった話をして、最後に「私は無駄なことが本当に嫌いで、少子高齢化が進む今、効率を高める仕事こそ自分の使命だと思ってます」みたいな話ができたら「内定!」ですよね。
なんでもいいんです。例えば私の知人で、マッチングアプリを使ってた時に、異性に送るテンプレ的な文章を用意して効率化して、彼女ができた後でテンプレを後輩に使わせてあげることでナレッジの共有化、そんなことでもいいと思います。
また理系の人は、「技術そのものに強い興味がある」ってことや「ユーザーの困りごとに燃えるタイプ」という話ができる人、向いてます。
技術的なことをどんどん学んでいく人がいたら、やっぱり会社としては頼りがいがあります。あと、基本はユーザーの困りごとを見つけ、それを解決していく仕事です。似た体験があれば間違いなくウケます。
さて最後に、SaaS(Software as a Service)企業は、一般的にテレワーク(リモート勤務)やハイブリッド(出社+リモート)の働き方が広く取り入れられています。グローバルでも、リモートワーカーの割合が非常に高い業界で、株式会社エムエム総研の調査では、実に6割以上の企業でリモートワークやハイブリッドワークを行っています。
なぜって、そもそも効率を高めるサービスを提供している会社が非効率的な働き方してたらまずいですよね。SaaSの開発や営業も、テレワークと相性がいいんです。そもそもSaaSはクラウドベースで提供され、いつでもどこからでも利用できる設計ですからね。
だから、心の中で「どうも組織が苦手」なんて思っている方、「できればテレワークしたい!」という方、この業界、おすすめなんです。